2026年中に転職し、新しい会社から「前職の源泉徴収票を提出してください」と言われた場合、以前の会社の書類が届いていなくても年末調整だけ先にできるのでしょうか。国税庁によると、転職前に別の会社で給与を受け取っていた一定の人は、その給与も合わせて年末調整を行う必要があります。前職の給与額・源泉徴収税額などを確認できないときは、会社側で正しく年末調整できず、本人が確定申告して所得税を精算することになります。
前職の源泉徴収票がないと会社は何に困る?
新しい会社が行う年末調整は、12月に勤めている会社の給与だけを見て計算するものとは限りません。国税庁は、前の会社へ扶養控除等申告書を提出して受け取った給与がある場合には、その給与も含めてその年の年間税額を精算すると説明しています。
必要なのは単なる手取り収入ではなく、前職の給与総額、源泉徴収された所得税、社会保険料等の情報です。この情報が確認できない状態で、金額を推測して書類へ記入するのは避けましょう。
転職状況別に年末調整・確定申告を選ぶ表
転職した年の給与を『前職の源泉徴収票あり』『未交付』『同じ年に複数社』『退職後再就職なし』に分けて、会社の年末調整と本人の確定申告を選ぶ判断表を使うことで、どの会社が処理できるかを整理します。
| 状況 | 年末調整で確認すること | 次の行動 |
|---|---|---|
| 前職の源泉徴収票あり | 同年の前職分を合算できるか | 現職の担当者へ提出 |
| 前職の源泉徴収票が未交付 | 前職の金額を正確に確認できるか | 前職へ速やかに交付を依頼 |
| 年末調整までに届かない | 現職で前職分を確認できない | 必要に応じ翌年に本人が確定申告 |
| 同年に転職を繰り返した | 対象となる各社分を漏れなく確認 | 全社分の源泉徴収票を揃える |
| 退職後、年末まで無職 | 勤務先での年末調整を受けていない | 確定申告による精算を検討 |
退職した会社は源泉徴収票をいつ交付する?
国税庁の給与所得の源泉徴収票に関する説明では、退職した人へは退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付する義務があるとされています。通常の在職者については翌年1月31日までの交付期限ですが、年の途中で辞めた人は扱いが異なります。
退職から1か月を過ぎても届かない場合は、人事・給与担当へ再発行や交付を依頼してください。依頼するときは氏名、社員番号、退職日、送付先住所を整理して伝えると手続きを進めやすくなります。
源泉徴収票が年末調整に間に合わない場合
国税庁は、前職の源泉徴収票等で収入・源泉徴収税額・社会保険料額を確認できないとき、会社では年末調整を行えず、本人が確定申告で所得税を精算すると明記しています。現職の人事担当へ、前職書類が未到着であることを先に伝えましょう。
会社によって年末調整の社内締切は異なります。翌年になって源泉徴収票が届いたときは、前職分と現職分の源泉徴収票を揃え、翌年の確定申告書等作成コーナーやe-Taxの正式な手順を確認してください。申告すれば必ず還付されるとは限りません。税額の過不足により還付または納付となります。
同じ年に複数の会社で働いたときの注意点
2026年に3社で働いた場合、最後の1社とその直前の1社だけの情報では全期間の給与を確認できない可能性があります。国税庁は年の途中で就職した人の年末調整では、就職前の他社給与の確認が必要と説明しています。各社から受け取った源泉徴収票と、必要な扶養控除等申告書の提出状況を整理してください。
同時に複数勤務先で働いた場合や年末時点で退職している場合には、給与の種類や年末調整の対象が異なることがあります。すべて一括で現在の会社に合算できるとは限らないため、実際の勤務形態を人事担当者へ伝えましょう。
前職と現職の源泉徴収票を照合するチェック
- 源泉徴収票に記載された支払金額と勤務先名
- 給与から源泉徴収された所得税額
- 社会保険料等の金額
- 退職した日と新しい会社への入社日
- すべての前職分が揃っているか
- 年末調整書類の提出期限を過ぎていないか
書類を受け取る前に見込み額で申告書を埋めるのは避け、前職へ交付を依頼→現職の担当へ提出→間に合わなければ確定申告の順番で考えてください。





