2026年中に転職した人が新しい会社で年末調整を受けるには、原則として前の会社から交付された「2026年分の給与所得の源泉徴収票」が必要です。前職と現職の年間給与・源泉徴収税額を合算して1年分の所得税を精算するためで、給与明細を集めただけでは年末調整に必要な確認を代替できません。前職から届くのが遅い場合、既に受け取った票を紛失した場合、会社が交付してくれない場合で手続きが異なります。
前職の源泉徴収票がないと現職は合算年末調整できない
国税庁「年末調整の対象となる給与」では、年の途中で就職した人がそれ以前の勤務先でも給与を受け、前職へ扶養控除等申告書を提出していた場合、前職の給与を含めて現職で年末調整を行うと説明しています。前職の給与額や源泉徴収額を確認するための資料が源泉徴収票で、確認できなければ年末調整を行うことはできません。
| 2026年の就業状況 | 年末調整の基本的な扱い | 準備する資料 |
|---|---|---|
| 1社のみで年末まで勤務 | 勤務先で年末調整 | 勤務先から求められる申告書等 |
| 前職を退職し現職へ年内に転職 | 前職の給与を含めて現職で年末調整 | 前職の給与所得の源泉徴収票 |
| 前職票が年末調整までに届かない | 前職の金額を確認できず、合算年末調整は不可 | 前職へ交付依頼、取得後の確定申告等を検討 |
| 給与が副業などで同時に複数社 | 主たる勤務先・従たる勤務先で取扱いが異なる | 各勤務先の源泉徴収票、確定申告の要否を確認 |
税制上「前職分を現職の年末調整に含められるか」は雇用形態だけでは判断できず、扶養控除等申告書の提出状況などの条件も確認が必要です。
源泉徴収票の交付期限は退職後1か月
国税庁の2026年現在の説明では、給与所得の源泉徴収票は原則として全受給者に交付し、年途中の退職者には退職日から1か月以内に渡す必要があります。年末調整を行っていない会社や、年間給与が少額だった会社でも、受給者への交付自体は原則必要です。
例えば2026年9月末に退職した場合、交付の法定期限は原則として10月末です。ただし会社の事務処理上の見込みや交付方法が異なる場合があります。年末調整の提出期限が近いなら、前の会社の給与担当へ交付予定日と電子交付の有無を早めに尋ねてください。
「まだ交付されない」「再発行したい」「届いたが現職の締切を過ぎた」を分ける
| 困りごと | 先に取る行動 | 注意 |
|---|---|---|
| まだ発行されていない | 退職日からの経過日数を確認し、前職へ交付を依頼 | 1か月の法定期限も確認 |
| 一度受け取ったが紛失 | 前職へ再発行を直接依頼 | 不交付の届出は再発行の制度ではない |
| 期限を過ぎても発行されない | 勤務先への依頼の記録を残し、税務署の不交付届出を検討 | 行政指導を受けても即日交付の保証はない |
| 現職の締切に間に合わない | 現職の給与担当へ連絡し、年末調整・後の確定申告の扱いを確認 | 推測の金額で申告書を埋めない |
税務署の「源泉徴収票不交付の届出書」は、そもそも交付されていない場合に利用する制度です。国税庁の説明では、交付期限が過ぎ、事業主への依頼にも応じてもらえないことなどを確認してから提出します。手元の給与明細の写し、交付を依頼した日時・担当者・回答の記録が役立ちます。
年末調整に間に合わない場合は2027年の確定申告も選択肢
2026年分の年末調整までに前職票を準備できなかった場合、必要な源泉徴収票を取得して、2027年に自分で2026年分の確定申告を行う方法があります。前職票が届くまで何もせず待つのではなく、現職へ事情を説明し、年末調整の処理状況や後日対応の可否を確認しておくと混乱を減らせます。
前職と現職の両方の給与がある場合は、それぞれの給与総額や源泉徴収額を含めて計算する必要があります。銀行口座の入金額など「手取り額」を年間給与として申告してしまわないようにしましょう。源泉徴収票をもらえていない状態をそのまま申告内容の推測で埋めることは避けてください。
確定申告するならふるさと納税のワンストップ特例も再確認
年末調整で処理できず確定申告する場合、同じ年にふるさと納税のワンストップ特例を申請していても、その特例は無効になり、寄附した分をすべて確定申告へ記載する必要があります。自治体数・申請期限・確定申告による無効化のルールはワンストップ特例と確定申告の違いを整理した記事で確認できます。
転職年の税務手続きは「いつ退職したか」「前職の源泉徴収票があるか」「現職で年末調整できたか」の順に判定するのが実務的です。前職へ発行を依頼した連絡記録は、少なくとも受け取れるまで残しておきましょう。





