2026年の年末調整では、23歳未満の扶養親族がいる人の「新生命保険料」の控除上限が4万円から6万円になる特例があります。対象となるのは2026年分と2027年分で、医療保険や個人年金保険まですべて一律に上限6万円へ変わる制度ではありません。さらに生命保険料控除の合計上限12万円は維持されています。国税庁の現行計算表から、保険料6万円・12万円を支払った場合の計算を比較します。
23歳未満の扶養親族がいれば「一般の新生命保険料」上限6万円
国税庁は、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般の新生命保険料控除について、2026年分と2027年分に上限6万円とする特例を掲載しています。「扶養親族がいる」とは単に子どもがいるというだけではなく、税法上の扶養親族の要件を満たすかどうかを確認する必要があります。また、この特例は本人が保険契約者・受取人に関する対象要件などを満たしている場合の控除計算です。
| 区分 | 一般の生命保険料控除の上限 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2012年以降の新契約・23歳未満の扶養親族あり | 6万円 | 2026・2027年分の特例 |
| 2012年以降の新契約・特例対象外 | 4万円 | 従来の通常上限 |
| 2011年以前の旧契約のみ | 5万円 | 旧契約用の算式で判定 |
| 介護医療保険料 | 4万円 | 一般の生命保険とは別枠 |
| 新個人年金保険料 | 4万円 | 一般の生命保険とは別枠 |
| 生命保険料控除の合計 | 12万円 | 特例があっても合計上限は維持 |
表の控除「6万円」は、保険に支払った6万円がそのまま所得税から差し引かれる意味ではありません。あくまで所得から差し引く「所得控除額」の上限です。
年間6万円・12万円の新保険料でどれだけ違う?
新契約の一般生命保険料だけを単純化して比べると、特例がある人には新しい計算式が適用されます。年間3万円以下は支払った額の全額、3万円超6万円以下は支払額の半分+1万5000円、6万円超12万円以下は支払額の4分の1+3万円、12万円超は一律6万円です。通常の新契約は年間8万円を超えると控除4万円で頭打ちとなります。
| 年間の新生命保険料 | 通常の控除額 | 23歳未満の扶養親族がいる場合 |
|---|---|---|
| 2万円 | 2万円 | 2万円 |
| 3万円 | 2万5000円 | 3万円 |
| 6万円 | 3万5000円 | 4万5000円 |
| 8万円 | 4万円 | 5万円 |
| 12万円 | 4万円 | 6万円 |
これは「一般の新生命保険料のみ」を例にした公式算式による独自計算です。旧契約と新契約を併用している場合や、個人年金・介護医療を合算するときは扱いが変わるため、この表だけで最終的な所得控除額を決めないでください。
古い生命保険にも入っている場合、合算のルールが違う
2011年12月31日以前に締結した旧契約は、年間保険料に応じて最高5万円の旧契約計算が適用されます。国税庁の2026年の表では、新契約と旧契約が両方ある場合、23歳未満の扶養親族がいて旧契約の年間保険料が6万円を超えると合算上限6万円となる一方、6万円以下のときは合算上限4万円となる区分が設けられています。
すでに加入している保険の契約日と年間払込額を確認せず、「子どもがいるなら旧契約を足して必ず6万円の控除」と計算することはできません。勤務先へ提出する保険会社の控除証明書に、一般・介護医療・個人年金、新旧区分がどう記載されているか確認してください。
控除が2万円増えても、税金が2万円返るわけではない
上限が4万円から6万円に増えることで最大2万円分、所得税の計算上の課税所得を減らせる可能性があります。しかし、それは所得税の納付額を2万円直接減らす「税額控除」とは異なります。実際の減税額はその人に適用される所得税率や他の所得控除などに左右されます。
所得控除と税額控除の違いをもう少し知りたい人は、トピネタのふるさと納税の控除上限の仕組みと5つの注意点も参考になります。いずれも年収だけでは最終的な控除・還付を確定できません。
申告前に保険会社の証明書で確かめたい4項目
- 扶養親族が2026年12月31日時点で23歳未満に該当するか確認する。
- 保険契約が2011年以前の旧契約か、2012年以降の新契約か確認する。
- 一般生命保険、介護医療、個人年金の区分と年間払込額を確認する。
- 勤務先へ保険料控除申告書と必要な控除証明書を提出し、合計12万円の上限も確かめる。
特例は2026年・2027年分について国税庁が案内している制度です。2028年分以降も同じ条件が続くと予想で書き足さず、年ごとの改正と申告書の案内を確認してください。





