2027年の医療費控除でマイナポータルが自動入力できるのは、主に2026年の保険診療の「医療費通知情報」です。通院の公共交通費、医療費通知に載らない治療費や自費の対象医療費、保険金などで補てんされた金額は、領収書や記録を確認して自分で入力・修正します。自動入力された情報だけでは申告が完成しない場合があります。対象年分は2026年1月から12月に支払った医療費です。
医療費控除の自動入力は保険診療の通知分が中心
国税庁は、医療費通知情報をマイナポータル連携で取り込み、申告書へ自動入力できると案内しています。交通費・一部の施術費・通知外の医療費は明細を確認して追加します。
2027年の申告対象は2026年1月~12月に実際に支払った医療費
医療費控除は、納税者本人や生計を一にする配偶者・親族のために支払った一定の医療費から、保険金などで補てんされる金額と基準額を差し引く所得控除です。対象となるのは2026年に実際に支払った費用で、治療を受けただけでまだ支払っていない金額は原則その年の控除へ含めません。
国税庁の計算式は「支払医療費-保険金等の補てん額-10万円」を基本とし、その年の総所得金額等が200万円未満の場合は10万円に代えて「総所得金額等の5%」を使います。医療費控除額の上限は200万円です。
| 計算例(仮定) | 医療費の合計 | 保険金等の補てん | 差し引く基準 | 医療費控除額 |
|---|---|---|---|---|
| A:総所得300万円 | 180,000円 | 30,000円 | 100,000円 | 50,000円 |
| B:総所得150万円 | 120,000円 | 10,000円 | 75,000円(5%) | 35,000円 |
| C:総所得300万円 | 90,000円 | 0円 | 100,000円 | 0円 |
表の税額ではなく、所得控除額を計算した例です。たとえば50,000円の控除があっても50,000円がそのまま還付されるわけではありません。補てん金額はその給付の対象となった医療費の範囲で差し引くルールにも注意が必要です。
マイナポータル連携で自動入力できる範囲を確認
国税庁は、マイナンバーカード方式によるe-Taxの確定申告でマイナポータルから医療費通知情報(XMLデータ)を取得し、該当欄へ自動入力できると説明しています。医療費通知情報は毎年2月9日以降の取得が案内されており、保険診療分が中心です。2027年に2026年分を申告する人は、連携データが取得可能になったことを確認してから作成を進める方法があります。
| 費用・情報の種類 | 自動連携の目安 | 確認すること |
|---|---|---|
| 健康保険を利用した診察・処方薬 | 医療費通知情報から取得できる場合あり | 2026年分の取得内容が実費と一致するか |
| 通知に載らない治療費・医療機関の支払い | 自動取得できない場合あり | 領収書から別途入力 |
| 通院のための公共交通費など | 医療費通知に含まれない | 適用条件を確認し記録に基づき入力 |
| 医療保険の給付金・高額療養費 | 医療費から補てん額を差し引く | 対象の医療費と補てん金の関係を確認 |
保険診療でも、はり・きゅう施術、整骨院・接骨院の柔道整復療養費などはデータで取得できない場合があります。連携が成功した画面だけを見て領収書の確認を省略しないようにしましょう。
マイナンバーカードを使う場合の準備と手順
- マイナンバーカードと読取り対応スマートフォン、またはICカードリーダライタを準備します。
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーから該当年分の申告書作成を開始します。
- マイナポータル連携を設定し、医療費通知情報を取得できる状態にします。
- 自動入力された明細を確認し、載っていない対象医療費や補てん額を追加・訂正します。
- 医療費控除額とほかの所得・控除を確認し、e-Taxで提出するか書面提出を選びます。
家族の通知情報を取得したい場合は、マイナポータルで代理人登録が必要になることがあります。保険会社等のデータは、その発行元が連携に対応しているかでも取得範囲が異なります。
「通知のPDFを印刷すれば領収書を捨ててよい」は誤り
国税庁の医療費控除Q&Aでは、連携で取得したXML形式の医療費通知情報と、マイナポータルのWeb画面・PDFを印刷したものを区別しています。XMLデータはe-Tax送信時に添付書類データとして扱うことができますが、Web画面やPDFを紙にしただけの場合は原本と同じ扱いではなく、関係する領収書を5年間保存する必要があります。
また、医療費控除の明細書を作成して提出した場合でも、税務署が確認を求めるため、領収書の提出や提示を求められることがあります。通知に含まれない交通費や治療費については記録を残しておきましょう。
ふるさと納税のワンストップ特例は医療費控除の確定申告で無効に
2026年分のふるさと納税でワンストップ特例を申請した人が、2027年に医療費控除のために2026年分の確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。寄附金控除としてすべての対象寄附を確定申告に含め直す必要があります。この条件は既存記事のワンストップ特例が無効になる場合と確定申告の違いで詳しく説明しています。
医療費の領収書をまとめた後は、連携で取得できた明細と手入力する費用を照合し、補てん金額を適切に差し引いてください。申告を行う2027年時点の国税庁の最新画面で必要書類と提出日程も確認するのが確実です。





